回想

9年も昔、札幌市の漬物製造メーカーのO-157食中毒事件の新聞記事です。
その時の思いは以下のお通りです。

製造に使う重しが原因??
事件発生前に厚生労働省が通知している「旧:漬物の衛生規範」の「第4 施設・設備及びその管理」には以下の様な記述がある。
(12) 器具は、少なくとも1日1回以上洗浄し、熱湯等により消毒を行うこと。
(13)漬込みに用いる重石は、十分洗浄し、衛生上支障がないようにすること。
(14) 器具類は、衛生保持のためその使用目的に応じて、それぞれ専用に使用する。
となっている。
重石を殺菌する記述はない・・・・?

一方、この記事は「大量調理施設衛生管理マニュアル」の内容と比べて、当該漬物製造メーカーが漬物石やたるの殺菌を怠ったとの不適合を言っている・・
確かに「たる」は「漬物の衛生規範」にも殺菌するよう記述されているが、重石にはない・・・

ここで疑問なのは監督行政機関が事件前から日常的に「漬物の衛生規範」ではなく「大規模調理施設衛生管理マニュアル」を遵守して製造するよう他の漬物製造メーカーも含め、指導していたのであろうか・・・?
事故を起こしてから大規模調理施設衛生管理マニュアルと比較して逸脱を語っているのが、何か後出しジャンケンの様に思えてならない。

法律や指導体制の不備を棚上げにして、製造メーカーに全ての責任を押し付けているように思えるのは私だけだろうか?

食品事故に限らず、予防的対策に視点を向けて行かない限り事故の低減は期待できず、犠牲者が出てから大騒ぎする。
何時もそうだ・・・
HACCPだのISO、FSSCの文字がかすんでしまう。
掛け声だけで、実行が伴わない・・・・・